みんなのわっはっは通信 1月号が発行されました。
今月のラインナップは
◆今年は未年ですが、羊の歯はどうなっているでしょう?
羊は、上の前歯がありません。でもないのは上の前歯だけで、奥歯は上下にちゃんとあります。
口に入れた草をすりつぶすのには奥歯を使っているのです。そして上の前歯がない代わりに、上の歯ぐきがとても硬くなっています。下の歯と上の歯ぐきを噛み合せるとちょうど包丁とまな板のような働きをします。そうやって草を噛み切っているわけです。そして胃の中で反芻し、消化を助けます。
ところで「羊歯」と書いてなんと読むかご存じですか?
答えは「シダ」と読みます。そうです、植物のシダです!
シダ植物の葉が櫛の歯状に裂けているところと羊の歯がにているためにこのような当て字になったと言われています。そうです、シダ植物は「羊歯植物」もしくは「歯朶植物」と書くんです。
ところで、お正月のしめかざりに、シダ植物のウラジロの歯を用いますよね。
これは歯朶の歯(葉)が齢(よわい)、朶は枝を意味することから「齢を重ねる」「長生きをする」さらに「子孫繁栄を願い、祝う」というようにだんだん意味が広がってきたそうです。
◆お餅をお正月に食べるというのは何百年以上もまえから日本にある習慣です。でも何故お正月にお餅を食べるかご存知でしょうか?
日本に最初に渡来したのは今のようなお米ではなくて、もち米だったそうです。
農耕民族である日本人にとってもち米から作るお餅は豊穣を象徴する大切な食べ物です。
お米は一粒撒くと何十倍~何百倍の実りとなって私達の命を支えてくれます。
昔の人はその実りに感謝して、また新たな実りを祈願するためにお餅を作り、お酒を作ってハレの日(お正月)に神様に捧げました。
そのお餅を頂くことで神様からの力を頂き一年の無病息災を祈ったそうです。
他にもお餅は丸くて家庭円満、またよく伸びるということで長寿延命などいろいろおめでたい意味があります。日本人なら是非とも食べたいお正月の食べ物の一つですよね。
ところが残念ながら毎年のようにお正月にお餅を喉に詰まらせて救急車で運ばれたというニュースを耳にします。運ばれた人の90%以上が高齢者だそうです。
高齢者は噛む咀嚼機能や飲み込む嚥下機能が低下しています。さらに唾液の分泌も不足しており、また喉に詰まった時に咳をして吐き出す機能も落ちています。
●予防のために
1.お餅は、小さく切って食べやすい大きさにする。
2.お茶や水を飲んで喉を湿らせて、のど越しをよくする。
3.ゆっくり噛んで餅を口の中で細かくし唾液をよく混ぜてから飲み込む。
●もしのどにつめてしまった時は
1.咳をするように促す
2.頭を低くして背中をたたく(指でかき出すのも有効です)
3.掃除機を入れて吸い出す。(専用ノズルも販売されています)
4.救急車を呼ぶ。
日常的にむせやすい方はもちろん、普段あまり気にしていない方もお餅を頂くときは事故が起こらないように気をつけて、そして何よりも皆で楽しく頂きましょう。
みんなの歯医者さん