日常のケアについて
電動歯ブラシと普通の歯ブラシも汚れ(プラーク)の除去率はほとんど変わりません。電動歯ブラシで磨いたからといって磨き残しがなくなる訳でわありません。どんな歯ブラシを使用するにも大切なのは当て方や動かし方です。歯科医師や歯科衛生士に指導を受けてから使用するのがいいでしょう。日々のご自身での口腔ケアだけでは汚れ(プラーク)は残りがちです。大切な歯を虫歯や歯周病から守る為にも歯科医院での定期的なチェックとクリーニングが大切です。
口腔ケアとは、お口の中をきれいにすることよりお口の中のばい菌を減少させて虫歯や歯周病の予防、入れ歯による悪影響、誤嚥性肺炎の予防などさまざまな口の中の問題を改善していきます。その中でも高齢者にとってもっともこわいのが誤嚥性肺炎です。命にかかわるケースも少なくないです。ですから、日頃からの口腔ケア、衛生士による定期的なチェックが必要なのです。
結論から言えば、正しく使ってしっかりときれいに磨けるのであれば、歯磨き剤は使った方が良いのです。ただし、しっかりきれいに磨けることがキーポイントになります。しっかりきれいに磨くというのは、汚れが残りやすいところに歯ブラシを当て、汚れをとるということです。歯磨き剤を使うとすぐに爽快な感じがしますし、泡もたくさんでるので「磨けた」気分になってしまいます。結果として磨けてないのに「磨いた」気分になってしまい、磨き残しが多くなる場合があります。
子どもの場合、歯磨き剤を嫌がらなければ、いつからということなく使用してかまわないと思います。ただし、あまり大量に使うと、口の中が泡だらけになり、かえって良く磨けなくなりますので、少しだけつけるようにしてください。また子供に歯磨き剤を使う場合は、歯磨き剤の中に含まれているフッ素の効果を一番に期待して使うことが多いかと思われます。汚れが残っていると歯にフッ素が取り込まれにくくなるので、順番としては子供が磨く→何もつけずに仕上げ磨き→歯磨き剤をつけて仕上げ磨きが良いのではないかと思います。しかし、なかなかそこまで手が回らない方のほうが多いのと思います。そう言った方やきれいに磨ける方は、子供が磨く→歯磨き剤をつけて仕上げ磨きで十分だと思われます。歯磨き剤を使い出す年齢は、吐き出しが出来る頃からがいいと思います。
歯ブラシの毛がひらいて、後ろから見て毛がはみだしてきた時です。衛生面のことも考えて、だいたい1ヶ月に1本くらいが交換の目安です。ただし、歯ブラシの毛質や歯ブラシを歯に当てる圧が強いと2週間ほどで歯ブラシの毛は開いてくることもありますので、そうなったら1ヶ月が経っていなくても交換の時期です。また小さいお子さんの場合は、歯ブラシを噛んで毛が開いてくることも多いと思うので、そうなると1~2週間ほどで歯ブラシの毛が開いてくると思われます。また、小さいお子さんの場合は、仕上げ磨き専用の歯ブラシを別に用意するといいです。
研磨剤のたくさん入っている歯磨き剤(歯が白くなるなどと書いてあるもの)は、歯のエナメル質を傷付ける可能性があります。研磨剤がたくさん入った歯磨き粉を使いすぎると、歯の表面がザラザラして、余計に着色がひどくなってしまう危険性もあるので頻繁な使用はおすすめできません。適切な歯磨きができれば、そこまで気にすることは無いと思います。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。
シュガーレスなどと表示されたお菓子は歯に安全かというと、必ずしもそうではありません。三糖類、多糖類などの中にも、むし歯をおこす力をもつものがあるからです。成分が同じでも、形が違っただけで、歯に安全かどうか変わってきます。むし歯になりやすいかどうかは、成分ではなく、食品全体で判定しなければなりません。もっとも、砂糖が入っていれば、むし歯の原因となることは確実です。
ノンシュガーであれば、虫歯になりませんが、100%野菜ジュースや果汁ジュースには果糖などが含まれており、虫歯の原因となります。砂糖、果糖、ブドウ糖の表示がある場合は、気をつけて下さい。
歯磨きは虫歯の予防(虫歯になりにくくする)行為ですので、しっかりと歯磨きすることは大切です。ただし誤った歯磨きの仕方だと口の中に菌が残ってしまいますので、歯医者さんで適切な歯磨き指導を受けられることをおすすめします。
本人に合う歯ブラシ、合わない歯ブラシというのはそれぞれの口腔内の状態により異なります。一度歯科医師のアドバイスを受けられることをお勧めします。
まず、約40cmのフロスを左右の中指に巻き付け、親指と人差し指で1.5~2cmの間隔でフロスをピンと張って使用します。張ったフロスを歯の間に入れて小刻みにのこぎりを引くように動かして歯の間を通過させます。そのあと歯の側面に沿わせてこすりつけながら2~3回上下させてください。
フロスの場合、汚れを取ってくれる部分は“糸”の部分になります。歯間ブラシは歯ブラシ同様“ブラシ”がついていますのでこの部分で汚れを取ります。歯と歯の間が狭い場合は、デンタルフロス、歯と歯の隙間があいている場合やブリッジの下などには歯間ブラシを使います。歯肉の状態等によってどちらを使うかや、どのサイズを使うかが変わります。
おそらく3歳くらいにならないと、素直にきちんと仕上げ磨きなんてさせてくれないと思います。無理に仕上げ磨きをしようとつり上がって目で挑むと、かえってお子様に恐怖心を植え付けてしまうおそれもあります。仕上げ磨きも大切ですが、それよりも虫歯にならない食べ物、飲み物に配慮してください。あとは優しく愛情持って接してあげれば、自然に仕上げ磨きさせてもらえるようになるでしょう。
アイスやヨーグルトなど口の中をサッと通り、長い間口の中に留まらない食べ物や、ナッツ類などのむし歯菌がむし歯のもととなる「酸」をつくれない食べ物、あとはフレッシュフルーツなどよく噛まないと食べられないものがいいと思います。
まず、口腔ケアスポンジを使って口腔粘膜・歯肉にある食べ物のかすなど(食物残渣)を除去します。次に軟毛歯ブラシで舌の表面に付着したこけ類(舌苔=ぜったい)を取り除きます。そのあと、 電動歯ブラシで歯面に粘着した細菌群を破壊します。最後にうがいで口腔外に排出します。
朝起きた時と夜寝る前に磨くのが理想的です。夜寝た後、口の中は唾液の量が少なくなり、口の中が渇き気味になります。口を開けて寝ていると、ますます口の中は乾きます。唾液には虫歯を作る菌の働きを抑える力がありますが、これらが夜の間は弱くなるわけです。朝は一日の始まりとして歯磨きをすると思いますが、夜寝る前には、是非歯磨きをしてからお休み下さい。
歯の歯茎の下の部分は骨に埋まっています。直接、骨に結合しているわけではなくて、間に歯根膜という結合組織が介在しています。歯根に付いている歯根膜が生きていると、再植の予後が良いと言われています。だから乾燥させないように、牛乳に漬けると良いそうです。牛乳に漬けたまま、その歯を持って、早めに歯医者に行って下さい。
研磨剤や発泡剤が入っているかどうかじゃないかと思います。あとは好みですね。
いわゆる虫歯菌はもともと人の体内に存在するものではありません。乳歯が生え始めて完成に至る、生後6カ月から2歳半ばくらいまでに、おそらくは経口感染によって外部から侵入するとされています。ですから、お母さんが赤ちゃんに口移しで食事を与える行為は、あまりオススメできません。
歯ブラシは、ペンを持つように持つのがおすすめです。また、力を入れすぎると歯ブラシの毛先が開いて、逆にプラークが落ちにくくなりますので、弱めの力でブラシを小刻みに動かすのが上手な磨き方のポイントです。歯と歯ぐきの境目は歯ブラシを45度の角度で当てるようにするときれいに磨くことが出来ます。
進行した虫歯だと難しいのですが、初期虫歯という歯に穴は開いてないけれど歯のエナメル質が溶け出した状態のものであれば、再石灰化によってもとに戻すことが可能です。再石灰化とは唾液に含まれるリン酸カルシウムで溶けたエナメル質を修復することです。唾液を多く出すことによって虫歯の自然治癒を促します。なので唾液が多く分泌される食べ物が望ましいですね。具体的には梅干しやガムや飴(キシリトールのもの)がいいと思います。